遺言は、自分の死後の財産や遺産、その他重要な事項について、あらかじめ自分の意思や指示を残す文書です。
遺言には、だれが財産を引き継ぐのか、財産の分割方法、特定の遺産の処分方法、自分の子供や配偶者の後見人の指名など、個人の希望や要望が含まれることもあります。
遺言は、個人の意思を表す重要な文書であり、遺言を作成することで、個人の意思が尊重され、遺産や重要な事項に関する処理が希望通りに行われることが期待されます。
ただし、法的な効力を持つためには、適切な手続きと要件を遵守する必要があります。遺言を作成する場合には、専門家の助言や法的な支援を受けることが重要です。
また、遺言書は定期的に見直すことが望ましく、変更や更新が必要になる場合は適切に対応することが重要です。
遺言の方式
遺言には次の3つの方式があります。当事務所は、遺言書の文案作成から保管、遺言執行までトータルサポートいたします。
① 自筆証書遺言
遺言の全文、日付、氏名を自分で手書きし、押印をする遺言書です。
民法の改正で遺言書の保管制度ができ、以前より使いやすくなりました。自筆証書遺言書保管制度(法務省)
遺言書の本文にパソコンの使用や代筆はできませんが、財産目録はパソコンや代筆でも作成できます。
〇 メリット 作成に費用がかからず、いつでも手軽に書き直せる。
遺言の内容を自分以外に秘密にすることができる。
遺言書保管制度を活用すれば、遺言の形式的なチェックを受けることができ、法務局に保管されるので、
紛失や改ざんのおそれがありません。また、通常の自筆証書遺言に必要な検認が不要となります。
● デメリット 一定の要件を満たしていないと、遺言が無効になるおそれがある。
紛失したり、忘れ去られたりするおそれがある。
勝手に書き換えられたり、捨てられたり、隠されたりするおそれがある。
遺言者の死亡後、遺言書の保管者や相続人が家庭裁判所に遺言書を提出して、検認の手続が必要になる。
② 公正証書遺言
証人2人以上の立会いの下、遺言者が遺言の趣旨を公証人に述べて、公証人の筆記により作成する遺言書です。
遺言書の原本は、公証役場で保管されます。
〇メリット 専門家である公証人が遺言書を作成するので、遺言書が無効になる可能性が低い。
勝手に書き換えられたり、捨てられたり、隠されたりするおそれがない。
家庭裁判所での検認の手続が不要。
●デメリット 証人2人が必要。
費用や手間がかかる(遺言書の作成費用は、目的の価額に応じて設定されます)。
③ 秘密証書遺言
公証人と証人2人以上に遺言書の「存在」の証明をしてもらいますが、本人以外は内容を見ることができない遺言書です。
〇メリット 遺言書が発見されないケースを防ぐことができる。
遺言の内容を秘密にしておくことができる。
●デメリット 内容に不備があると無効になるおそれがある。
費用や手間がかかる(遺言書の作成費用は、目的の価額に応じて設定されます)。
遺言は、作成すれば安心というものではありません。死後に遺言の有効性をめぐって争いになることもしばしばあります。
遺言を作成する際には、要件を満たし、必要な手続きを経るよう注意が必要です。
適切に作成された遺言があれば、相続人間の争いの防止や、収束に役立つでしょう。